2007年 10月 26日
『直筆で読む「坊っちやん」』
「坊っちゃん」という小説を読むのならば、通常の活字本がよいと思います。そのほうが、内容が断然頭に入ってきて、話そのものを楽しめると思うからです。
けれど、漱石がどんな文字や文章を書いていたかに興味があるならば、この本はおすすめです。活字になったものとは違うおもしろさがあります。
漱石は、「変体仮名」も交えた文章を書く人でした。ひらがなの「た」や「か」などをみると、それがわかります。
漱石は、習字の素養が相当あります。すっと立った行や、所々にみえる行草の漢字などからそれがうかがえます。
「坊っちゃん」を読んでたのしい。字を視て二倍たのしい。(いまゆっくり読む時間が私にはないのがちょっと残念なのだ。)
ということで、秋の夜長におすすめの一冊です。
リンク 直筆で読む『坊ちゃん』(集英社)
by chinchudo
| 2007-10-26 20:57
| ●書籍紹介