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ゲド戦記のこと

先月、スタジオジブリの次回作が「ゲド戦記」であると公表されました。私はあまり映画を観る方ではないので、原作を先に読んだものが後から映像化されるのをみるのは初めてです。その意味で、どんな作品ができあがるのか、とてもたのしみですし、少々不安も感じます。しかし、スタジオジブリのサイトで公開されている「ゲド戦記」の監督日誌を読んでいると、不安は薄らいで、期待が大きくなります。

宮崎吾朗氏は「前口上」で、「できあがった作品を観てほしい」と言っています。その意味では監督日記は読まない方がいいのかもしれません。けれどすでに読んでしまったので少し感想を書きます。宮崎氏は高校生の時に初めて『ゲド戦記』を読んで、一巻の「影との戦い」が好きだったそうです。魔法使いゲドの成長に自身を重ねて読んだ、と。そして20年経って読んだ今、別の感想を持ったと述べています。

私も『ゲド戦記』の魅力は、ゲドや登場人物の成長の描き方にあると思います。ゲドが魔法使いとして生きるためには、世界のことや自分のことをよく知らねばならず、多くの苦難に立ち向かって魔法使いになってゆきます。アースシーの世界で魔法を使うためには、物の「まことの名」を知らねばならず、世界の均衡に思いを致さねばならず、自分が何のために力を使うのか考えなければならず、という具合で、努力と苦悩の連続のような話です。その物語は、私たちそれぞれがいま生きていることに照らして考えることができるものだと思います。それで何度読み返してもおもしろく感じるのでしょう。

なんだか固い話になってしまいましたが、7月公開の「ゲド戦記」をたのしみに待ちたいと思います。 (関連記事:ゲド戦記のこと 2
by chinchudo | 2006-01-06 15:00 | ●日記
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