2006年 09月 07日
『枕中記・李娃伝・鶯鶯伝他』(中国古典小説選5)
中国古典小説選の特徴は、訳文が目立つようになっていることです。網掛けされているので、その部分だけを追ってゆけば、日本語でストーリーを楽しめるというわけです。もちろん、原文や書き下し文、語注も載っていますので、併せて読むことができます。
中国古典の書籍が出されるときに、原文、書き下し、訳文、語釈(or語釈、訳文)の順番で並ぶのは一般的です。しかし、このシリーズは、訳文、原文、書き下し、語釈というように、訳文が一番に来ています。こんなところにも、日本語訳を重視した編集方針がでていると感じますし、実際のところ読み物としても楽しい仕上がりになっていると思います。それだけでなく、各作品に解説がついていて、理解を深めることができます。
この第5巻には、二十一の作品が収録されています。おすすめは、「枕中記」です。べたですねぇ。^^;
個人で持つにはあまり気軽に買うような価格でないのが残念ですが、公共図書館などに広く普及してほしいです。
by chinchudo
| 2006-09-07 14:09
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