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使命

  座れる程度に混んだ通勤電車
  22時30分

  一日の疲れが漂う 無言の車内

  紙箱をひざにのせ 蒼い顔で
  スプーンを黙々と動かす ひとり

  休みなく口に運ぶ
  そうあらねばならないので

  表情なく飲み下す
  在ってはならないものを消し去るため

  躯(からだ)に取り込むそれは
  ケーキという偽りの名のクルシミ

  食べ尽くすことのない



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ある日、電車内でケーキを食べる人を見かけました。
若くなく高齢でなく、整った身なりのその人は、持ち帰り用の紙箱をひざにのせて、黙々とスプーンを動かしていました。旨味を感じているようではなく、蒼い顔色をして、ただ静かに食べ続けていました。
そのときのことを表そうと思って書きました。
by chinchudo | 2006-09-25 23:32 | ●日記
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