2006年 09月 25日
使命
22時30分
一日の疲れが漂う 無言の車内
紙箱をひざにのせ 蒼い顔で
スプーンを黙々と動かす ひとり
休みなく口に運ぶ
そうあらねばならないので
表情なく飲み下す
在ってはならないものを消し去るため
躯(からだ)に取り込むそれは
ケーキという偽りの名のクルシミ
食べ尽くすことのない
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ある日、電車内でケーキを食べる人を見かけました。
若くなく高齢でなく、整った身なりのその人は、持ち帰り用の紙箱をひざにのせて、黙々とスプーンを動かしていました。旨味を感じているようではなく、蒼い顔色をして、ただ静かに食べ続けていました。
そのときのことを表そうと思って書きました。
by chinchudo
| 2006-09-25 23:32
| ●日記