2007年 01月 31日
『詩への道しるべ』
優れた詩であればあるほど、そこに潜む〈深さ、広さ〉は、さまざまな読み方を許します。あるいは、さまざまな読み方を重ねてみないと、その〈深さ、広さ〉は汲み尽くせない。しかし、その読み方の中へいま読んでいる詩と無関係なもの、そのことばのなかにないもの、特に〈自分の我意〉を持ち込んではいけない。この言葉は、詩の読み方について示唆をあたえてくれます。詩を読む者に、なにかしらの決意を迫るようなきびしさが感じられる言葉だと思います。しかし、すがすがしい。
それを〈主体的な読み方〉、〈自分の独自性〉などと思い誤ってはいけない。
「第二部 日々を生きつつ--さまざまな詩」では、いろいろな立場から家族を、そして社会を見つめた詩が並べられています。家族を詠んだ詩では、娘の立場から、母の立場から、父の立場から、妻あるいは夫の立場から見たそれぞれの家族像が紹介されます。著者の選ぶ詩は、どれも興味深く、このような詩をよく選んだものだなあと感心してしまいます。特に、娘から見た家族というのはなかなかおもしろい面があります。息子の立場から見た詩もあれば、また違ったおもしろさがあったかもしれないと感じました。
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※外国の作者の詩もありますが、基本的には訳詩されたものを、日本語として読むコンセプトと理解しました。
P.S. Tさん、「ブログの記事にします」とお約束してからずいぶん経ってしまいました。ごめんなさ~い。個々の詩についての感想は書けませんでしたけれど、すきな詩をひとつあげるなら、黒田三郎の「夕方の三十分」です。
by chinchudo
| 2007-01-31 22:58
| ●書籍紹介